感染症診療は“重症度評価”から始まる!
こんにちは、r-youngです😊
今回から、NPや看護師のみなさん、
そして一緒に働く多職種の方々向けに、
感染症診療の基本をシリーズでお届けしていきます。
テーマはズバリ、
「抗菌薬治療の掟」!
第1回は、その中でも最初の一歩…
「おきて① 患者の重症度を把握しよう」です。
🛏️診断名より先に、重症度!
感染症に限らず、どんな病気でも
「診断」と「重症度判定」は車の両輪のように大切です。
例えば肺炎ひとつ取っても、
自然に良くなる軽症肺炎もあれば、
ICUで全力治療しても命を落としてしまう重症肺炎もあります。
私たち医療者が最初にやるべきは、
「この患者さんは今どのくらい危ないのか?」を見極めること。
診断名はもちろん大事ですが、それと同じくらい、
いや時にはそれ以上に重症度評価が患者の運命を左右します⚡️
📋まず見るのはバイタルサインと意識状態
重症度を短時間で把握するために、
真っ先にチェックするのは
バイタルサインと意識状態です。
バイタルサインの優先順位は以下の通り👇
- 血圧(低い=ショックの可能性💥)
- 脈拍数(頻脈=体が血圧を維持しようと必死)
- 呼吸数(速い=酸素不足や代謝性アシドーシスの補正)
- 酸素飽和度(指先の“サチュレーション”でOK)
- 体温(実は重症度の判断材料としては優先度低め)
特に血圧は普段との差を意識することが大事です。
普段160mmHgある人が110まで下がっていれば、
それはもう危険信号🚨。
そして意識状態。
「なんかいつもと違う」だけでも十分に変化ありと捉えてOK。
JCSやGCSの点数化も良いですが、
現場ではまずその変化を逃さないことが命につながります。
👀見た目の印象も侮れない
皮膚が冷たい、白っぽい、まだら模様(livedo reticularis)が見える…
こうした所見は循環状態の悪化を示すサインです。
こういう時、頭の中で
「あ……やばい!」
とアドレナリンが回る感覚…
経験のある方も多いのではないでしょうか😅
🧪血液検査は「減っている」方に注目
日本の臨床ではCRPの値だけを細かくチェックしがちですが、
実は重症度評価としてはバイタルや意識状態の方がはるかに有用です。
それでも血液検査を見るなら、
実は注目すべきは減っている値なんです。
- 白血球が著しく減っていないか(3,000/mm³以下は要注意)
- 血小板が減っていないか(低下は重症感染症を示唆)
- 肝機能・腎機能が悪化していないか(多臓器不全の兆候)
これらは、検査結果が出た瞬間に“ガン見”すべき項目です👀
⏳時間軸を忘れずに
もう一つ見逃せないのが
発症からの経過時間です。
数時間〜数日で急激に悪化しているのか、
それとも数週間かけて徐々に進行しているのか…
この“スピード感”は重症度判断の重要なカギです。
例えば急速に悪化している患者は、より重症で緊急対応が必要な可能性が高いです。
これを見極めるためには、
カルテや患者・家族からの病歴聴取が欠かせません。
💡まとめ
- 診断名より先に「どのくらい危ないのか」を見極める
- バイタルサインは血圧・脈拍・呼吸数を最優先
- 見た目・皮膚の色・冷感も重要な手がかり
- 血液検査は減っている値(白血球・血小板)に注目
- 発症からの時間軸を必ず確認
感染症診療のスタートは、
診断名や検査結果ではなく、
目の前の患者さんの重症度を正しく見抜くことから始まります。
これができれば、
その後の判断や治療の精度が一気に上がります✨
次回は「培養とグラム染色の大切さ」について、さらに掘り下げていきます📦
お楽しみに〜!
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