こんにちは!r-youngです!
今日はアメリカにおける、NPと医師アシスタント(Physician Assistant、PA)の違いについて見ていきます。
日本の診療看護師の資格はいまだ法制化されていません。
当然、処方権や診断をする権限もなく、各種検査結果の判断なども認められていません💦
「医師の指示の直接的及び包括的指示のもとで診療の補助を行う」という点においては、
一定の独立した権限を有している米国のNPよりもPAの方が類似性があるのでは?と考えています。
(※特に外科系の診療看護師!)
日本ではプライマリケアよりもクリティカルケア領域の診療看護師が多く、外科系診療科をフィールドとしている診療看護師も多いです。
米国のPAを知り、NPとの違いを知ることで日本での診療看護師としての具体的な活動内容の参考になること間違いなし‼️
今日の記事のリソースはこちらです!詳しく知りたい方は是非ご覧になって下さい🎵
では、早速行きましょう〜😆
NPとPAの教育・トレーニング、職務の役割、協力の違い、給与についての違いを比較していきます。
NPとPAは、高度な実務プロバイダー(Advanced Practice Providers;APP)として認識されています。まず、学士課程の教育から見ていきましょう。
NPとPAの教育
学士課程
PAは、PA学校の前提条件を満たしていれば、どんな学士号を取得しても構いません。
一方、NPは看護学の学士号を取得する必要があります🧑⚕️
どちらの課程も約4年かかりますが、PA向けの加速プログラムでは、この部分を3年で完了することもできます。
PAでは、PAプログラムへの入学のために、1,000から4,000時間の直接の患者ケア経験を積む必要があります。この経験は、救急救命士(EMT)や救急医療従事者、患者ケア技術者、CNAなどを通して得られます🚑
卒業するころには、PAは既にPAプログラムに申請し、受け入れられているはずです。
一方、NPは、病院での臨床実習を800から1,000時間完了する必要があります。
NPは、登録看護師(日本でいう正看護師のようなもの?)としての資格を得るためのNCLEX-RN試験を受験し、合格する必要があります。ほとんどのNPは、即座に登録看護師として勤務を開始します。NPプログラムに経験なしで直接進む看護師もいますが、これは一般的ではありません。
修士課程
次に、PAとNPの修士課程について詳しく見ていきましょう。
PAは、PA学、健康科学、または医学の修士号を取得します。
一方、NPは看護学の修士号を取得します。
カリキュラムについては、
PAは全員が画一的に訓練されていますが、NPは特定の患者層専用のプログラムを選択する必要があります。
ほとんどのPAプログラムは約2年、つまり24ヶ月のフルタイム学習が必要です。
最初の1年は、医科学に関する領域を深く学びます。
この内容は、医学校の最初の2年間の内容を1年間で学ぶものと考えることができます。
その後、小児科、産婦人科、家庭医学、救急医学、一般外科などの臨床回転を通じて、約2,000時間の公式な臨床経験を積むことになります。
NPのプログラムの構造は異なり、フルタイム、パートタイム、オンラインのオプションもあります。NPプログラムの最初の2~3学期は臨床がなく、専門的な情報を学びます。
その後、臨床を始めますが、専門的な情報も同時に学びます。臨床を行う場所は、専門分野によって異なります。
プログラム終了時には、NPは平均で600から800時間の公式な臨床経験を積むことになります。
卒業後、PAはPANCE(PA全国認定試験)に合格する必要があります。
NPは、ANCCまたはAANPのいずれかでの認定試験を受験し、合格する必要があります。
認定を受けたPAとNPは、州のライセンスを申請し、高度な実務プロバイダーとして実践することができます。
臨床現場での役割
職務の役割の違いについて考えると、実際には大きな違いはありません。
PAもNPも、健康履歴の取得、身体評価の実施、診断のオーダーと解釈、治療法の処方(薬や治療法など)、軽度の臨床手続きの実施、適切な専門家への相談などを行います。
彼らはほぼすべての専門分野で働いており、一次ケア、専門医のオフィス、入院患者の病院、集中治療室、救急部門、在宅医療、外科などがあります。
外科の唯一の実際の違いは、PAが手術により頻繁に参加することです。
NPも外科手術に関与することはできますが、これは一般的ではありません。
NPが外科サービスで働いている場合、彼らが行うのは患者の入院と退院の手続きが主となります。
医師との協力
次に、医師との協力や監督についてです。
NPとPAは、両方とも医師と密接に連携して働きます。
しかし、米国のNPとPAの最も大きな違いはここにあります。
米国のNPは半分以上の州や領土でで完全な実践権限(Full Practice Authority:FPA)を持っており、看護師評議会のもとで職務の全ての側面を実践する法的権限があります。
これにより、医師との監督や連携が必要なくなります‼️(すごいですね)
当然、FPA州に住んでいるNPであっても、必要であれば、適切に医師と連携や相談を行うことはあります。
一方、FPA州でない場合、NPは医師との協力契約を結ぶ必要があります。
これは通常、定期的なカルテのレビューや、質問がある場合の医師へのアクセスを含みます。
これは通常、安全なテキストメッセージや電話で行われ、現地の医師の必要はありません。
一方、PAはどうでしょう?
PAは医師または医師グループの指示と監督のもとで働く必要があります。
監督の度合いは州の法律によって異なります。
この「監督」という意味は、医師がPAの行動を肩越しに監視しているわけではありません。
これは、PAが複雑な症例や特定の疾患プロセスの管理について監督医師と話し合うことや、処方箋の共署、カルテの承認などを意味します。
(※これって日本の病院、特にクリティカル領域で活動する診療看護師と類似性高くないですか?)
しかし、これは州によって異なり、ほとんどの州では医師が特定の場所に存在する必要はありません。
一般的に、NPの経路はPAの経路よりもより多くの自律性を提供します。
これは、特にFPA州に住んでいて、将来独自の診療を開業する予定の場合に役立ちます。
PAもNPも、医療チームの重要な部分であり、それぞれの職能範囲内で患者のケアを適切に行う能力があります。
やはり看護をベースに実践を行うNPは海外でもプライマリ領域でのニーズが大きいのでしょうね。
こちらのNPさんはカナダで活動していますが、APNとしてのNPの考え方や実践を紹介してくれているので是非とも参考にしてみて下さい‼️
勉強になりますよー。定期的にワークショップも開催してくれています。
給与
最後に、NPとPAの給与の違いについて。
一般的に、施設はPAとNPの仕事が同じであるため、同じ給与を支払います。
全国のデータを見ると、
NPの平均年収は117,000ドル(1745万円!)、PAは107,000ドル(1596万!)!
日本とは全然違う‼️😳
国民皆保険制度の日本ではこの給与水準は無理でしょう…
NPの中には自分の診療を開業して収入を増やすことができる者もいるため、全国のデータが上向きに偏ることがあるようです。
まとめ
いかがでしたか?
米国でのNPとPAを比較してみました。
海外のNPやPAの役割を知ることで自身の活動の参考になると思います。
日本の診療看護師は「医師の指示のもとで診療の補助を実施する」という点からは抜け出せていませんし、諸外国のように法制化されるにはまだまだ時間がかかるのかな〜💦
NPとPAでは患者介入へのアプローチ(看護ベースと医学ベース?)が異なり、米国でもその辺りの議論は行われているようなので、診療看護師の我々もそこは議論されなければいけないですよね。
現状では診療看護師(特に外科系)はPA的である、と言わざるを得ないと思います。
それで良いのか、悪いのか。NP協議会やNP学会全体で議論が必要だと思います。
まあ何にせよ、目の前の患者のために診療看護師としての知識と技術をフル活用して看護実践していく!
これが一番大事ですよね。
患者にとってはRN、NP、PAとか関係ないです。
一歩一歩実績を積み上げていきましょ!
ではまた!👋
一気に秋らしくなりましたね〜
妻も寒いってさ🤧
コメント