心臓手術後の安心を支える!ドレーン管理の完全ガイド②適切な留置部位

周術期管理

こんにちは!r-youngです!

ドレーン管理完全ガイド第二弾です。

ドレーンを「どこに挿入するのか?」は、ドレナージの効果を左右する非常に重要なポイント✨

適切な位置に正確に設置することで、術後のリスクを最小限に抑えることができます。

今回は、心臓血管外科手術における適切な留置部位と、そのために必要な解剖学的知識を詳しく解説します!🩺

心臓血管外科手術で開放される腔とドレーン留置部位🛠️

心臓や胸部大血管の手術では、術中に開放される腔(空間)がドレーン留置の場所になります。

どの腔にどのように留置するかは、手術の種類や状況によって異なります。

以下で主な手術ごとに解説します👇

1️⃣ 胸骨正中切開の場合(一般的な心臓手術)

開放される腔

• 心囊腔(心臓を包む膜の中)

• 前縦隔(心臓の前方、胸骨の裏側の空間)

ドレーンの留置部位

心囊ドレーン:横隔膜を経由して、心囊腔の最も低い部分(仰向けでは心臓後面:oblique sinus)に留置。

前縦隔ドレーン:胸骨の裏側、前縦隔の下部に留置。

💡 ポイント

心膜を閉鎖しない場合、心囊腔と前縦隔が1つの腔になります。この場合、理論的には心囊ドレーンだけでも対応可能ですが、血液が各腔に溜まり血腫を形成することがあるため、通常は心囊腔と前縦隔の両方にドレーンを留置します。

• 前縦隔ドレーンはどちらの腔から出血しているかを見極める「インフォメーションドレーン」としても重要な役割を果たします📊

胸膜が開放された場合(胸腔が開くことはよくあります)、胸腔にもドレーンを追加で留置します。

2️⃣ 右開胸アプローチの場合

開放される腔

• 右胸腔

• 心囊腔

ドレーンの留置部位

右胸腔ドレーン:胸腔の最も低い部分(仰向けでは肺後面、座位では横隔膜上)に留置。

心囊ドレーン:心囊腔内の低い部分に留置。

💡 ポイント

胸腔ドレーンは、術後の血液や空気を確実に排出するために必須です🌬️

3️⃣ 左開胸アプローチの場合

開放される腔

• 左胸腔

• 心囊腔(場合による)

ドレーンの留置部位

左胸腔ドレーン:胸腔内の最も低い部分に留置。

心囊ドレーン(心囊を開放した場合):心囊腔内の低い部分に留置。

💡 ポイント

心囊を開放した場合、心囊腔内の液体は左胸腔に流れ込むため、左胸腔ドレーンのみで対応することも可能です。

実際はインフォメーションドレーンとしてやはり両方留置することが多いかな?

適切なドレーン留置のための解剖学的理解🧠

ドレーンを適切な位置に留置するためには、解剖学的な知識が不可欠です。

以下の原則を押さえておきましょう👇

1️⃣ 心囊腔の場合

最も低い部位に留置する

• 仰向け(臥位)では心臓後面(oblique sinus)

• 座位や立位では心臓下面(横隔膜上)

• ドレーンが横隔膜を経由して先端がoblique sinusに来るように設置します。

2️⃣ 胸腔の場合

最も低い部位に留置する

• 仰向け(臥位)では肺の背側(肺後面)

• 座位や立位では肺下面(横隔膜上)

・ドレーンが横隔膜を経由して先端が胸腔内背側に来るように設置します。

3️⃣ 特別な注意が必要な場合

冠動脈バイパス術(CABG)

• ドレーンがバイパスグラフトに接触しないように留置し、抜去時の経路も考慮します。

血管縫合部や吻合部の出血

• 必要に応じて周辺に追加のドレーンを設置します。

適切なドレーン留置がもたらす効果🌟

適切な留置位置を守ることで、以下のような効果が期待できます👇

• 良好なドレナージによる血腫や液体貯留の防止。

• 術後出血やエアリークの早期発見。

• 術後合併症のリスク軽減✨。

次回は「ドレーンの種類と素材」について解説します!😊

確実な知識を身につけて、ドレーン管理のプロフェッショナルを目指しましょう!💪

ではまた!

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