心外膜ペーシングを留置した後は、適切な管理がとても重要です!👍
患者さんの状態を安定させるために、注意すべきポイントやトラブルが発生したときの対応方法を解説します。
管理方法 🛡️
1. リードの固定を徹底する
リードが引っ張られると、接触不良を起こしたり、完全に抜けてしまうことがあります💥
患者さんが体を動かしたりせん妄状態になることも考慮して、体外に出ているリード部分は以下のようにしっかり固定しましょう⬇️
• 縫合糸や使用して皮膚に固定、安定させる🧵
• 中心静脈カテーテルやドレーンと同じように、ドレッシング材などを使用して動かないよう工夫する📍
2. 患者の状態を頻繁にチェック
以下のようなリードの問題が起こり得るため、早期発見がカギです🔍⬇️
• 接触不良によるペーシング不全
• 不適切なペーシングモード設定による誤作動
• リード感染の兆候(発熱や創部の発赤など)🦠
特に術後数日は注意深く観察を続けましょう👀
トラブルシューティング 🛠️
1. ペーシング不全
ペーシングがうまくいかない場合、原因は大きく2つに分かれます⬇️
ペーシング刺激が発生しない(failure to pace)
• 電池切れ、接続不良、ケーブルの断線などが原因です。ペーシング装置やリードを確認し、必要に応じて交換します🔄
• DVIやDDDモードを使用している場合は「cross−talk inhibition」も原因のひとつ。
・cross−talk inhibitionとは、心房電極の電気刺激を心室電極がセンスし,自己脈と誤認してしまうため心室ペーシングが抑制される状態です💦
・cross−talk inhibitionは、房室間伝導障害が併存するとペーシングによる心拍出が消失してしまいます。自己脈がない場合には心停止に陥るため非常に危険です⚠️
・cross−talk inhibitionの対応は
①心室電極のセンシング閾値を上げる(心房刺激を気付かせない)
②心房電極のペーシング出力を下げる(心室に届かせない)
ことで対応可能です。それでもcross−talk inhibitionが起きてしまう場合はモード変更で対応できます。
刺激に心臓が反応しない(failure to capture)
心電図モニター上でペーシングスパイクを認めるが,それによる脈拍が生じていない状態です🛑
心外膜ペーシングリードで最も多いペーシング不全で,
①電極と心筋の接触不良や,
②電極と心筋の抵抗が上昇
で生じます⚡️
抵抗上昇の原因には,術後の心筋浮腫,電解質異常,代謝性アシドーシス,抗不整脈薬の使用などが挙げられます。
ペーシング出力の最大化、電解質の補正、アシドーシスの改善を試みましょう💡
いずれの方法も無効で,かつペーシングが必要であれば,経静脈的ペースメーカの留置を検討しましょう💭
2. センシング不全
センシングがうまくいかない場合、自己心拍を感知できず、タイミングの悪いペーシング刺激が心室細動など、致死的不整脈を引き起こすことがあります⚡️
センシング感度は,failure to capture の場合と同様な要因で,時間とともに低下してしまいます💦
センシングの感度を最大にすることで対応する以外に,有効な手段はありません⚠️
センシングが改善しない場合は、経静脈的ペーシングリードへの変更を検討する必要があります。
管理上の注意点 🚨
ペーシングが必要な術後不整脈が発生しない場合、通常は術後数日以内にリードを抜去します。
抗凝固療法を開始する前にリードを抜去することで、出血性の合併症を予防できます🩸
感染予防の観点からも、早期抜去が推奨されています。
次回予告 🎉
次のセクションでは「心外膜ペーシングの抜去方法と合併症の予防」についてお届けします!
抜去時の手順や注意点を詳しく解説しますので、ぜひご覧ください😊
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