こんにちは!r-youngです😊
前回は拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)におけるSVGを使ったOM吻合について解説しました!
今回のテーマは、
RCA(右冠動脈)の吻合方法です🪡
特にRCAの中枢側ネイティブに側々吻合を行い、その後に末梢側ネイティブの端側吻合を行うシーケンシャル吻合手順について詳しく説明します。
手術の各ステップごとに、血行動態の確認と安定化がいかに重要であるかを強調していきますので、ぜひ最後までお付き合いください🙇
RCAの視野展開方法
さて、OMの吻合が終わったら次はRCAの視野展開です!😃 ここからは手順をしっかり押さえて進めていきましょう。
まず、ベッドの傾きはヘッドダウンで、術者側に傾けたままにします。
RCAを展開するためには、心尖部を頭側に向けて持ち上げていくのがポイントです。右側に傾けていた心尖部を、頭側に向かって持ち上げていくようにしましょう。
心臓の理想的な傾け方
理想的には、RCAの末梢が中枢よりも頭側に来るように、心臓が頭側から足側に向かって斜めに立つように傾けることがベストです😊
少なくとも、心臓が垂直に立つように位置取りできれば吻合は可能ですので、焦らずに血行動態を確認しながら調整していきましょう。
スタビライザーの使い方
OMの吻合時と同様に、血行動態の維持が重要です。スタビライザーを使って吻合部を固定します。このときも血行動態に注意を払いながら行ってください。
中枢側ネイティブの側々吻合
次に、中枢側ネイティブに側々吻合を行います。
まず、SVGの長さをやや余裕を持って調整し、マーキングします。
切開は縦方向に入れ、ネイティブとは直交するようにダイヤモンド吻合を行います✨
ネイティブを切開し、シャントチューブを挿入したら、SVGを適所に置き、まずはヒールに針糸を数針かけて、パラシュートで落とします。
縫合時には、残りの針をかけて一周回り、結紮します。
止血を確認したら、スタビライザーの位置を変えて末梢ネイティブである4AVに移ります。
末梢側ネイティブの端側吻合
末梢ネイティブの端側吻合は、SVGの太さや長さによってネイティブと直交するように吻合することもあれば、平行に吻合する事もあります。
いつものように、ヒールから数針をかけてパラシュートで落とし、一周回って縫合を完了させます🧵
吻合が終わったら、ベッドの傾きを解除して水平に戻します。
この段階では、収縮期血圧へあまり高すぎない数値を目標にゆっくりと降圧する事が多いです。
SVGのねじれを取り、走行を確認し、上行大動脈とサフェナス静脈の吻合部を確認します。
サフェナス静脈の上行大動脈吻合
さて、次はサフェナス静脈を上行大動脈に吻合する方法について説明します💉✨
上行大動脈の性状確認
まず、上行大動脈の性状をしっかり確認します。術前にも確認していますが、手術中にも指で触れて、正常で良い場所に吻合するように心がけましょう👍
吻合部の視野確保
血行動態が安定していることを確認したら、上行大動脈にパーシャルクランプをかけます。
パーシャルクランプ以外では
ハートストリングを使用して吻合口の視野確保を行う方向もあります。
(自施設ではこちらがほとんどです)
ここでも麻酔科医とコミュニケーションを取り、血行動態に異常がないかを確認しましょう。問題がなければ、次に進みます。
パンチャーでの吻合口作成
パンチャーを使って、上行大動脈に吻合口を作成します。
大きく開けすぎるとサフェナス静脈が潰れてしまうことが多いので、吻合口の大きさには注意❗️
トリミングと吻合の詳細手順
SVGの中枢吻合も同じ手順で行います。ヒールに数針かけてパラシュートで落とし、一周回ります。
大動脈側をしっかりと大きく取って、
SVGがAortaに内挿されるように吻合します😊
フローメーターで血流を確認し、止血を確認できたら手術終了です!
お疲れ様でした‼️👏
まとめ
いかがでしたか❓❓
OPCABは技術が要求される手術ですが、手順をしっかり確認しながら進めることで、安全かつ効果的に行うことができます。
ここでは、手術全体のコツと注意点について詳しく解説します。🩺✨
手順ごとの確認ポイント
OPCABでは、各手順ごとに血行動態の確認が重要です。以下のポイントで特に注意してください。
ベッドの傾きを調整したとき
- 血行動態が安定しているか確認します。
- 麻酔科医とコミュニケーションを取り、必要ならば薬剤調整を行います。
スタビライザーをかけたとき
- スタビライザーの位置が適切か確認します。
- 血行動態に異常がないか、再度確認します。
吻合前
- 吻合部位の視野展開が出来ていることを確認します。
- SVGやネイティブの切開が正確か確認します。
吻合後
- 縫合が適切に行われているか確認します
血行動態の安定化の重要性
OPCABは短時間で血行動態が大きく変化する場面が多いため、常に安定させることが重要です⚡️
具体的には以下の点に注意が必要です。
- 血圧の急激な変動を避けるために、降圧や昇圧の速度を調整します。
- 心拍数の変動にも注意を払い、必要ならば薬剤で調整します。
- 酸素供給と需要のバランスを保つために、酸素投与や換気の調整を行います。
麻酔科医とのコミュニケーションの重要性
手術中は麻酔科医との連携が非常に重要です‼️
以下のようなポイントで、積極的にコミュニケーションを取りましょう。
- ベッドの傾きやスタビライザーの位置変更時に、血行動態の確認を依頼します。
- 吻合前後に血行動態の安定を確認してもらい、必要な薬剤の調整を依頼します。
- 血圧や心拍数の変動があった場合に、速やかに報告し、対応を協議します。
これらの注意点を押さえて、OPCABを安全かつ効果的に行えるでしょう‼️
最後に、手順の確認と血行動態の安定化をしっかりと行うことで、オンポンプにコンバートすることを避けることができます。✨😊
今回のシリーズはこれで終了です👏
皆さんのお役に立てれば嬉しいです!
次回もまたお楽しみに。
何か質問やコメントがあれば、ぜひお知らせくださいね😊🩺
ではまた‼️
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