高度実践看護の概念化⑤

看護

【第5回】APRNコンセンサスモデルの構成と意義

こんにちは!r-youngです😊

第5回はついに登場、

APRNコンセンサスモデル

Consensus Model for APRN Regulation)です!

「APRNsとは誰か?」

「何をもって“高度実践”とするのか?」

こういった疑問に、

明確な答えを出すために作られた共通の枠組みが、このモデルなんです!


◆ APRNコンセンサスモデルってなに?

2008年に発表されたこのモデルは、

APRNsの役割、職位、対象集団、専門性を一貫した方法で整理したものです。

作成には、看護関連の主要な団体や規制当局が参加し、国家レベルでの足並みをそろえる大きな一歩となりました!


◆ モデルの目的は?

  • 高度実践の統一的な定義をつくる
  • 教育・認証・免許・実践(LACE)をつなぐ
  • APRNsがどのような枠組みで実践するべきかを示す
  • 州をまたいだAPRNsの移動や活動の円滑化
  • 他職種や社会に対するAPRNsの説明責任と信頼性の確立

◆ 4つの役割(Roles)

APRNとして認められる4つの役割は以下の通りです!

  1. ナースプラクティショナー(NP)
  2. 臨床看護専門看護師(CNS)
  3. 看護助産師(CNM)
  4. 看護麻酔師(CRNA)

すべてに共通するのは、

個人に対する直接ケアを提供する点!

この点がAPRNsの実践の“コア”になります。


◆ 6つの対象集団(Population Foci)

APRNsは、下記の6つの対象集団のいずれかに対応した教育・認証を受けます!

  • 生涯を通じた個人/家族(Family/Individual across lifespan)
  • 成人・高齢者(Adult-Gerontology)
  • 小児(Pediatrics)
  • 新生児(Neonatal)
  • 女性の健康/ジェンダー(Women’s Health/Gender-related)
  • 精神保健(Psych/Mental Health)

※注意!

がんや救命救急などの専門分野は

「対象集団」ではなく、

「専門性(Specialty)」

として扱われます。


◆ APRNとしての条件(基準)

APRNsであるためには以下の条件を満たす必要があります!

  • 4つの役割+6つの集団のいずれかに対応した大学院教育プログラム修了
  • 国家認証試験に合格し、継続的な再認証を受ける
  • 3つのP(生理学・アセスメント・薬理学)」を含む高度な臨床知識を有する
  • 患者への直接ケアができる教育・実践経験を積んでいる
  • 概念モデルに基づいた自律的で責任ある実践を行う

◆ このモデルの何がすごいの?

APRNsにとっては、これまでバラバラだった制度を一本化する「共通のルール」ができたことが最大の意義!

  • APRN教育と認証の整合性
  • RNsとの明確な違いの提示
  • APRNが「高度」であることの根拠の明文化
  • 各役割に特有なコアコンピテンシーの構築

◆ 限界もあるけど、前進した一歩!

このモデルにも課題はあります。

  • コンピテンシーが完全に統一されているわけではない
  • 役割や対象集団の“外”にいるAPRNをどう扱うか?
  • DNPなど教育レベルとの完全な接続には議論が残る

でもそれでも!

APRNsが何者で、

どんな力をもち、

どう評価されるべきか?

これらを「可視化」したこのモデルは、

高度実践看護の概念化を一気に進めた革新的な取り組みなんです!


◆ まとめ:第5回のポイント

・APRNコンセンサスモデルは、高度実践の定義と枠組みを明示!

・4つの役割+6つの対象集団で整理された構造!

・直接ケア・高度な知識・認証試験合格が必須!

・APRNsの説明責任・制度の整合性・専門性の確立に大貢献!


次回(第6回)は、

「LACE枠組みと専門化の課題——APRNsを取り巻く制度設計」について解説します!

いよいよ、教育・認証・免許・実践がどうつながっているのかが明らかに!


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