🦠感染症診療の鉄の掟!〜NPのための抗菌薬トレーニング講座⑥〜

病気

第6回:アセスメントなくして抗菌薬なし!“熱”に反応するのはもう卒業🌡️🚫


こんにちはr-youngです😊

「熱が出たから抗菌薬」

「CRPが上がったから抗菌薬」

現場でよく見かける
“あるある”処方パターンですが…

それ…
めちゃくちゃ危ないです😱

今回は、
その場しのぎの抗菌薬投与に警鐘を鳴らす
【掟⑥:アセスメント】のお話です。

結論から言うと──

🧠 アセスメント(病態の見立て)なしに抗菌薬を使ってはいけない!

それでは行ってみようー‼️

🔥「アセスメントなし」の実例が生む惨劇

あるケースを見てみましょう👇

👤 70代・血液透析中の患者さん

📍 発熱あり、CRP高値

💊 フロモックス®(経口セフェム)を処方

…数日後、発熱継続。

やっぱりおかしいなと思って検査をしたら…

→ 感染性心内膜炎でした。

→ 脳塞栓を起こして片麻痺に

熱源への評価もせず、
「とりあえず抗菌薬」
で流してしまった結果、

患者さんの人生を大きく変えてしまいました。


このケースの問題点は?

それは、診断をつけようとしていないこと。

  • 透析患者=カテやシャントからの血流感染が頻発
  • 発熱があればブドウ球菌などを疑って
  • 血液培養×2、心エコー、抗MRSA薬の投与を考えるべき

にも関わらず

👉「熱あるな〜、CRPも高いな〜、フロモでいっか」

で終わってしまった…。

これが
“アセスメントなき抗菌薬投与”です。


💡診断がつかなくても「見立て」はできる!

もちろん、確定診断がすぐつかないこともあります。

でも大事なのは、少なくとも👇

🔎 「今、患者の身体の中で何が起きていそうか?」

🔎 「どんな可能性がありそうか?」

見立てて(アセスメントして)から治療に進むことです。


📋 アセスメント思考の3ステップ

🧩Step①:鑑別を“複数”挙げる

例:透析患者の発熱で考えるべき鑑別は?

  • 肺炎
  • 尿路感染
  • カテーテル感染(血流感染)
  • その他(胆道感染、心内膜炎、膿瘍など)

最初から
「ひとつに決め打ち」
しなくてOK。

網を広く張ることが大事なんです🎣


🧩Step②:それぞれの鑑別に必要な検査を準備

例:肺炎を疑うなら

  • 胸部レントゲン・CT
  • 喀痰培養とグラム染色

尿路感染なら

  • 尿培養・尿沈渣・グラム染色

カテ感染なら

  • 血液培養×2セット
  • カテーテル刺入部の観察

✅ 検査の目的を持つことが「考えている」証拠!


🧩Step③:治療方針を“理路”とセットで考える

「セフトリアキソンを使う」ではなく⬇️

「肺炎を想定して、まずセフトリアキソンでカバー」

「バンコマイシンを追加」ではなく⬇️

「カテ感染やMRSAを想定してエンピリックに追加」

📌 カルテにこの“理路”をちゃんと書くこと!

あとから見返した時、上級医に聞かれた時、説明できる材料になります。


🤔「じゃあ最初から確定診断しなきゃいけないの?」

そんなことはありません!

むしろ大事なのは……

✅ ビギナーは「的を広く」

→ 見逃しを防ぐ!

✅ ベテランは「的を絞って、根拠ある省略をする」

→ 経験に基づく判断力

📌 初心者に求められるのは「慎重さ」

📌 上級者に求められるのは「論理的な絞り込み」

どちらも「考えている」という点では共通です🧠✨


🙅‍♂️「強い抗菌薬にすればOK」ではない!

💥 MRSAならカルバペネムは効きません

💥 感染巣が心臓なら、抗菌薬だけでは治らないかも(手術も必要)

💥 膿瘍なら、ドレナージしなきゃ治りません。

📣 だから「的外れ」な抗菌薬は、いくら“強く”ても無意味です。


✅今回のまとめ🌈

📌 アセスメントなき抗菌薬投与は重大リスク!

  • 「熱あるから抗菌薬」は思考停止💥
  • 「何が起きていそうか?」を考えるクセを!
  • 確定診断がなくても、複数の仮説を立てよう
  • カルテには“なぜその治療に至ったのか”を記録✍️
  • 治療は、「何がわかっていて」「何がわかっていないか」を整理して行う!

🧠 抗菌薬を出す時、自分にこう問いかけてみて👇

「自分は、今この患者のことを、どこまで理解できているだろう?」


次回予告🔎

「掟⑦:最初は広域で、あとから狭く!de-escalationの原則」

感受性が出ても薬を変えてない…なんてこと、ありませんか?🧪💊


📣ご感想・臨床でのあるある失敗談なども大歓迎です👇

一緒に、思考する臨床を目指していきましょう🔥✨

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