心臓術後の心肺蘇生【第4回】緊急再開胸:心停止を乗り越える最後の手段!

周術期管理

こんにちは!r-youngです!

今回は心臓手術後の心停止時に重要な手技、

「緊急再開胸」

についてお話しします🩺✨

再開胸は、心停止患者さんを救うための究極の選択ですがその実施タイミングや手順には注意が必要です💡

再開胸とは?

再開胸とは、胸を再び開いて心臓を直接確認し、原因を治療する処置です✨

心停止の原因が心タンポナーデや出血などの場合、再開胸によって劇的に回復することがあります💪

再開胸が必要となる状況👇

胸骨圧迫や除細動で効果がない場合

心停止の原因が構造的な問題(出血やグラフト不全など)と疑われる場合

緊急再開胸を行うべきタイミング

タイミングを逃すと患者さんの予後が悪化してしまいます。しかし、明確な基準はなく個々の患者に合わせたアセスメントが必要です⏳💡

以下は参考にしてください。

CPR開始後5分以内に心拍が回復しない場合、再開胸を検討する

緊急再開胸は最大術後10日までが必須の標準的治療となる。それ以降の緊急再開胸実施に関しては,増大する縦隔縫合癒着の損傷リスクを天秤にかけて上級医が判断する。

• 一般病棟にて緊急開胸が必要な状況となった場合は,即座にICUか手術室に移動するべきである

再開胸を早期に行うことで、出血やタンポナーデといった原因を直接解決し、蘇生成功率を大幅に上げられます🌟

しかし、時期や場所も大事。状況に合わせた判断が必要です⚠️

再開胸のメリットとリスク

🌟 メリット:

• 心タンポナーデやグラフト不全などの構造的な問題を直接修復できる

• 開胸心マッサージによる効果的な循環補助

⚠️ リスク:

• 再開胸時の出血や心臓の損傷リスク

• ICUや手術室以外の環境では準備不足による予後不良

ポイントは、

再開胸を行う環境が整っているかどうかです🛠️

ICUや手術室なら適切な処置ができるため、成功率も高くなります👍

再開胸に必要な道具と準備

緊急再開胸には「ミニ再開胸セット」を用意しておくことが推奨されています📦

セットの基本的な内容はこちら👇

1️⃣ 滅菌ドレープ

2️⃣ メス

3️⃣ ワイヤーカッター

4️⃣ 持針器または鉗子

5️⃣ 開胸器

6️⃣吸引器・吸引チューブ・吸引管

7️⃣滅菌ガーゼ

セットを事前に準備しておくことで、再開胸の遅延を防ぐことができます⏩✨

開胸心マッサージの方法

再開胸後は、開胸心マッサージは熟練の心臓血管外科医が行うべきです。

EACTS ガイドラインにおいても,熟練者でない場合は,開胸心マッサージを行うべきではないとしています。また,片手法では術者の母指によって右室破裂の危険があることから,最も安全な方法は両手法であるとされています🫀

🛠 開胸心マッサージの手順 🛠

1️⃣ グラフトの位置を確認 & 凝血の除去

特に内胸動脈グラフト(LIMA)や静脈グラフトの位置を把握👀

• 凝血があると心臓が圧迫されるため、すべて除去しておく。

2️⃣ 右手を心尖部に配置(慎重に!)

グラフトが剥がれないように、心尖部の周囲を確認🩸

• 右手を心臓の後面まで進め、手のひらを上向きに(心臓を乗せるイメージ)。

3️⃣ 左手を心臓の前面に配置

両手で心臓を支えるように持つ

指を立てず、手のひら全体で均一に圧迫することがポイント💪

4️⃣ 圧迫のリズムは100回/分をキープ

僧帽弁置換術後の場合は特に注意⚠️

右手で心尖部を持ち上げるのはNG(後壁破裂のリスクあり)

5️⃣ 動脈圧波形を確認しながら実施

収縮期圧が60mmHg以上になるように調整📈

🌟 重要ポイント 🌟

✅ 心臓を圧迫するときは、圧力を均等に!

✅ 指を立てずに手のひらで支える(局所的な損傷を防ぐ)

✅ 動脈圧モニタリングをしながら、適切な循環を確保する

まとめ

緊急再開胸は、心停止を救命するための重要な選択肢です🚑。

✔️ 早期に再開胸を行うことで予後が改善

✔️ 適切な準備とトレーニングが成功のカギ

次回は、心停止時のペーシングや薬物治療のポイントについてお伝えします!

どうぞお楽しみに🎉✨

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