こんにちは、心臓血管外科のNP(診療看護師)のr-youngです😗
今日は、夜間や休日に便秘の診察依頼があったときの対応方法についてお話しします。
休日・夜間に便秘の診察依頼があったとき🚨
夜間に便秘の診察依頼が来たら?
「便が出ない」って、普通は夜中に解決しないといけない緊急事態じゃないですよね。でも、看護師さんから「この患者さん、便が出ないんですけど…便秘薬を使ってもいいでしょうか?」なんて相談があると、「なんでこんな時間に!単なる便秘でしょう、便秘薬飲んでおいて!」って思っちゃうこともありますよね。でも、ちょっと待ってください。
その看護師さんの相談の裏には、「患者さんは腹痛があるのに便秘薬を飲みたいと言っているけど、本当に飲ませて大丈夫?」とか「実は腸閉塞になっているんじゃないか?」という心配が隠れています。便秘の結果として腹痛が起こることもある一方で、腸管穿孔や腸閉塞でも便が出ずに腹痛を伴うことがあるため、「腹痛+便秘」だけでは単なる便秘と急性腹症の区別がつきません。
夜間に便秘診察を依頼された場合の注意ポイント💡
便秘診察では以下の点に注意して診察を行い、疑わしい点があればCTなどの画像検査をためらわず、器質的疾患を見逃さないようにしましょう。
注意すべき症状・情報と疑われる疾患
- 冷汗、嘔気・嘔吐、腹部膨満、持続的な腹痛、突然発症の腹痛
- 疑われる疾患:急性腹症
- 激しい自発痛の割に腹部所見に乏しい
- 疑われる疾患:腹部大動脈瘤破裂、急性腸管虚血
- 発熱
- 疑われる疾患:腹膜炎、胆嚢炎、急性膵炎、CDIによる麻痺性イレウスなど
- 筋硬直(rigidity)、打診痛(percussion tenderness, tapping pain)
- 疑われる疾患:汎発性腹膜炎
- 腹部手術後、腹部手術の既往歴
- 疑われる疾患:腸閉塞
- 心房細動、血液透析中、動脈硬化リスク
- 疑われる疾患:急性腸管虚血
- 担がん患者
- 疑われる疾患:抗がん剤・オピオイドによる麻痺性イレウス、高カルシウム血症、腸閉塞
- 精神科薬剤多剤内服
- 疑われる疾患:麻痺性イレウス、S状結腸軸捻転
- 神経筋疾患・抗パーキンソン病薬内服
- 疑われる疾患:麻痺性イレウス
これらの症状が見られる場合は、CTなどの画像検査をためらわずに行いましょう。器質的疾患を見逃さないようにすることが大切です。
日中に緊急ではないDr. Callがあったとき☀️
日中であっても、もちろん器質的疾患の考慮は必要です。「浣腸使ってもいいですか?」や「センノシドを3日間使っても全然便が出ないんです」といったDr. Callがあったときは、便秘の原因を考えるべき良いタイミングです。
便秘の原因を考えるポイント📝
- 入院が原因で便秘が悪化している場合には、離床や便座に座ることで改善することがあります。また、抗コリン薬やCa拮抗薬など便秘の原因となる薬剤の中止・変更も検討しましょう。
- 便秘薬の使用状況を確認する
- 経過表から便秘薬の使用回数と排便状況(硬さ・回数)を確認します。
- 私見ですが、1週間に2回以上刺激性下剤を使用しても硬便が続き、満足のいく排便が得られない場合は、便秘の対応が不十分です(もちろん、手を尽くしても刺激性下剤が必要な患者さんもいます)。
これらの対応を行うことで、便秘に対する適切な診療が可能となります。急性腹症の見逃しを防ぎ、患者さんの安全を確保するために、夜間・日中問わず慎重に対応しましょう。
お読みいただきありがとうございました!👩⚕️👨⚕️何かご質問があれば、お気軽にコメントしてくださいね😊
新しい非刺激性下剤の簡略化した使い分け
- 麻薬使用中? 💊
- あり: スインプロイク® を使用
- なし: 次へ進む
- 腹痛・腹部不快感あり? 🤕
- あり: リンゼス®(グーフィス®は避ける)、BSFS 3〜5を目指して緩下薬剤追加
- なし: 次へ進む
- 若い女性? 👩
- 若い女性: アミティーザ® は避ける(妊婦は禁忌、若い女性で嘔気、頭痛多い)
- 違う: 次へ進む
- 以下から選択:
- しっかり便を柔らかく!海外でのエビデンス重視: 🌐
- モビコール®
- ラグノス®
- 下剤乱用で直腸感受性低下した患者: 🚫
- グーフィス®
- 肝疾患・肝性脳症: 🧬
- ラグノス®
- 体格のよい男性: 💪
- アミティーザ®
※嘔吐・腹痛・下痢などで忍容性不良の場合は他剤への変更検討
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