第7回:社会がNPを求めた理由〜ジェンダー・経済・政策の力〜
こんにちは!r-youngです😀
シリーズ第7回。終盤です!
NPという新しい専門職がここまで広がってきた背景には、
現場だけでは動かせない「社会的な力」
の存在がありました。
今回は、ジェンダー・経済・政治政策という3つの視点から、
なぜNPがアメリカでここまで必要とされるようになったのかを見ていきます。
1. ジェンダー:女性主体の職業だからこその壁と力
看護職は長年、女性が中心の職業として扱われてきました。
そのため、NPが「診断する」「処方する」といった“医師的な”役割を担うことに、
見えない偏見や抵抗感がつきまとっていました。
一方で、女性だからこそ届くケアがあり、
母子保健や女性の健康支援の分野ではNPの存在が欠かせないものになっていきます。
また、NPや麻酔看護師(CRNA)の分野においては男性の参入も多く、
性別の枠を超えたプロフェッショナルとしての認識も広がっていきました。
2. 経済:医療費の高騰とNPの“コスパ”の良さ
1990年代
アメリカの医療制度は医療費の高騰という課題に直面していました。
そんな中で登場したのが、
マネジドケア(Managed Care)
という新しい医療モデル。
この仕組みでは、
「いかにコストを抑えて、効率よく質の高い医療を提供するか」
が問われました。
NPはここで救世主のような存在に!
高い専門性を持ちながらも、
医師より人件費が低く、
アクセスも良くて、患者満足度も高い。
まさに
“費用対効果”抜群な存在
として注目されるようになります。
3. 政策:国家レベルでのNP推進
社会のニーズに応える形で、アメリカ政府もNPの活用に動き出します。
1990年代以降、以下のような制度的な変化が次々と起こりました。
- MedicareでNPが償還対象に(1997年)
- 処方権を得るための州ごとの法改正
- 連邦レベルでのAPRNs支援プログラムの増加
そして2010年には、
オバマケアが成立。
全国民に医療アクセスを保証する政策の中で、
NPの役割はさらに重く、広くなっていきました。
今日のまとめ
- NPの発展は、社会的背景の後押しがあってこそ
- ジェンダーの問題を乗り越え、NPは看護の新しい専門職に成長
- 経済的・制度的なニーズがNPの価値を押し上げた
- 国レベルの医療政策が、NPの存在を制度として認め、支援するようになった
次回はいよいよ最終回。
「NPの歴史が私たちに教えてくれること」をテーマに、
ここまでの歩みを総まとめしながら、未来へのヒントを探っていきます。
ではまた!👋
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