アメリカのNP史を知ろう!〜ナースプラクティショナーの原点から今まで〜⑥

看護

第6回:1980年代〜処方権とNPの戦い!現場から法廷まで…!?〜

1970年代に教育が広がったNP。

次のステージは

“実践の権利”

をめぐる本格的な戦いの時代に突入します。

処方していいの?

診断ってどこまで?

この頃、現場だけじゃなくて、

法廷や国の制度の場面でもNPの存在が問われるようになっていきます。

新しいNPがどんどん誕生!

1980年代は、

専門領域NPの登場ラッシュ!

ファミリーNPに加えて…

  • 救急NP
  • 新生児NP
  • 急性期NP(ACNP)

など、さまざまな分野でNPが活躍するようになりました。

中には三次救急やICUで働くNPも登場し、

もう「院外だけの活動じゃない」時代に突入していきます。

処方権をめぐるバトル勃発

NPの大きな壁のひとつが

「処方権」でした。

当時はまだ、規制薬物を処方するにはDEA(麻薬取締局)の登録番号が必要。

でも、これって医師とか歯科医しか取れなかったんです…。

NPたちは

「ちゃんと教育を受けて、実践してるのに、なぜ処方できないの?」

と不満を募らせていきます。

法廷での勝利「Sermchief v. Gonzales」

1983年

ミズーリ州で起きた有名な裁判が

Sermchief v. Gonzales事件

2人の女性NPが「無免許で医療行為をした」として訴えられたのですが…

なんと、州の最高裁判所でNP側に軍配!

「APNの実践は、法定の制限がなくても進化できる」と認めたんです✨

これは、NPという職種が法的に一歩前進した瞬間でもありました。

DEA登録と「Mid-Level Provider」制度の誕生

1990年代に入る直前、DEAは

「Mid-Level Provider」

(中間職プロバイダー)

という新しいカテゴリを作って、

NPにも処方番号を発行することを認めるようになります。

Mid-Level Providerという名称に関する解説はこちら。

(※最近ではこの呼称については否定的な意見が多いようです。)

これによって、州で処方権を認められていれば、NPでも麻薬系の薬が処方可能に!

まさに、NPにとっては大きな進展でした!

今日のまとめ

  • 1980年代は専門NPが増え、フィールドが広がっていった
  • 処方権をめぐる制度的な壁が大きな課題に
  • 裁判所の判例やDEAの制度改正で、NPの実践は一歩ずつ前進
  • 「診るだけじゃなく、処方まで」の道が開き始めた時代!

次回は、新生児や急性期NPの誕生にフォーカス。

ハイリスク患者のケアまで担うNPたちの、専門職としての進化を追っていきます。

ではまた!👋

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