「心臓を止めずに行う命のバイパス:OPCAB手術の完全ガイド」

手術

はじめに

こんにちは、r-youngです!🌟

今日から、

拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)

についてシリーズでお話しします!

この手術は心臓を止めずに行うバイパス手術で、患者さんの回復が早くなることが大きなメリットです👍

今回ご紹介する症例は、4枝バイパス!🫀

左内胸動脈(LITA)を左前下行枝(LAD)に、そして大伏在静脈(SVG)を使って他の部位にバイパスを行います。

待機症例では、施設によっては、

手術前からバイアスピリンをローディングして準備万端で手術に臨む施設もあるようですね😗

それでは、具体的な手術手順を詳しく説明していきますので、お楽しみに!🚀

手術の準備

それでは、パイパスの前段階から始めましょう!🔧

左内胸動脈(LITA)の採取

手術はまず、LITAの採取からスタートします。

LITAは、心臓に新しい血流を供給するために非常に重要な血管です。

この段階でしっかりと採取しておくことが、手術の成功につながります。

開胸器の使用と胸骨の開き方

開胸器を使用して胸骨を開く際のポイントです。

OPCABの場合、心尖部の操作が多くなるため、

胸骨を術者から見て逆コの字にかけて、さらに開胸器を胸骨下端にかけることがポイント❗️

逆コ字に開くことで、心尖部の操作がしやすくなり、手術の効率がアップします⏫

胸骨を意識して開くことで、心尖部の脱転が容易に。

次に、心膜を4か所で吊り上げて冠動脈の吻合部を確認します。これで準備は整いました。次のステップに進みましょう!🚀

LITA-LAD吻合

さて、次はLITA(左内胸動脈)をLAD(左前下行枝)に吻合するステップです!🫀✨

心膜の開き方と心臓の持ち上げ方

LITAの血流が確認できたら、次はLADの展開に移ります。

まず、LITAがスムーズに心膜内に入るように心膜をLADに一致する位置で切り込みを入れます。

LITAの通り道を作るわけですね🛣️

そして、LITA起始部に向かって胸膜前面の脂肪を切開しておきます。

この時、横隔神経を傷つけないよう、心膜が開いてしまわないように注意が必要です⚠️

心膜を適度に吊り上げて心膜内に折り畳んだタオルを挿入することで、心臓が持ち上がりやすくなります。この背側の左室を展開する方法で、LADがはっきりと見えてきます👀。

LADの展開とスタビライザーの使用

できればしっかりと吻合部を固定するのが理想ですが、状況に応じて柔軟に対応しましょう。

スタビライザーを吸着させた後は、自分が操作しやすい角度に調整し、固定します。冠動脈がしっかりと固定できたら、いよいよ切開を始めます✂️

冠動脈の切開とシャントチューブの挿入

続いて、冠動脈の切開とシャントチューブの挿入について解説します。✨🔧

切開の方法と注意点

冠動脈の切開は、施設や術者によって様々。

尖刃で切り上げる方法もありますが、動脈壁を損傷したり、冠動脈が硬いと切り口が裂けるリスクがあります。

丸刃を使用して表面だけを擦るように小刻みに切開する方法もあります🔪💡

切開後、ポッツ剪刃を使用して適度な長さに切開を広げます。

このとき、冠動脈の状態に応じて切開口の大きさを調整することが重要です。

シャントチューブの挿入と血流確認

切開が完了したら、シャントチューブを挿入します。

まず中枢から挿入し、血流を確認します。確認後、末梢にもシャントチューブを挿入します。

シャントチューブの挿入により、血流が確保され、視野もよくなり、吻合が容易になります💉🔄

施設によってはシャントチューブを使用せずにLADの中枢と末梢をタニケットなどでスネアして血流遮断して吻合する施設もあります。

次に、LITAの長さを合わせて離断し、ポッツ剪刃を使って適度な長さに調整します。

冠動脈やグラフトの太さや性状に応じて吻合口の長さを調整することが大切です。

吻合口を整えたLITAにパーソネットプローブを挿入することで、血管の固定が良くなり、内腔も確保できるため、吻合が容易になります。

LITAの吻合

さて、いよいよLITA(左内胸動脈)をLAD(左前下行枝)に吻合する段階に進みます!✨🫀

無血視野の確保と吻合方法

第一助手は左手でLITAを固定し、右手でCO2ブロワーを使って血液を飛散させて、無血視野を確保します。

視野が乾燥するようであれば、第二助手や器械だし看護師から生食などをかけてもらいながら作業を進めます。

これにより、視野がクリアになり、安全に吻合を進めることができます。💧🔧

吻合順序は

graft(LITA):血管の外→内

native(冠動脈):血管の内→外

の順番で一周して行います。

まずはヒールサイドから数針かけて、パラシュートでゆっくりと落としていきます🪡🪂

吻合が一周したら、グラフトに血流を通し、空気を抜いてシャントチューブを抜き、結紮します。

この時、左右の糸を引いて吻合部出血がなくなるまで締めます。

出血がなくなったら少し緩めて吻合部がうまく膨らんでいることを確認しながら、強すぎて巾着状にしぼまないように優しく結紮します💪🧵

出血の確認とフローメーターでの血流確認

出血のないことを確認したら、フローメーターを使用して血流を確認します。

フローメーターにより、グラフトの血流が正常であることを確認することができます。

血流が正常であれば、次の吻合に移る準備が整います📈🔬

まとめ

いかがでしたか?

全体を通して吻合の際には

「如何に吻合をしやすい環境を整えるか」

という事が理解できたと思います。

記事にあるポイントを押さえることで、安全かつ効果的に手術を進めることができます。


これで、LITA-LAD吻合についての解説は終了です!

次回は、大伏在静脈を使った

SVG-OM吻合

について詳しく解説します。

OPCABではOMの吻合が最も難しいと言われていますので、視野展開のコツも含めてお話しします。

お楽しみに!🌟🫀


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